南仏プロヴァンスでの体験
植松:昨年6月に南仏プロヴァンスにご一緒した時、いろいろな庭のハーブを見て興奮されていましたね。
狩野:はい、家々の庭にあるハーブが極々自然で、しかも皆樹木のように大きいのを見て「これよ! これ!」って。同時に、どうしたらこんな立派なハーブガーデンをニセコで再現できるかって、真剣に考えてしまいました。
植松:こんなに自然豊かなニセコなのに、また庭に自然を再現するのですか。
狩野:ハーブガーデンは世界観が違うんです、自分の思いを表現する空間というか。それにプロヴァンスとニセコって、ちょっと風土が似ているところがあって。変な言い方ですけど、ニセコらしいプロヴァンス風の庭が再現できたらいいなって。私の夢ですね。
植松:狩野さんはご自身でもハーブを使ったワークショップを主催されていますが、どんなことをされているのですか。
狩野:最近は「健康」がキーワードです。参加者にリピーターも多くて、年を重ねられて血圧やコレステロールなどの悩みを抱える方が少なくありません。そうした方々から「お薬を飲む前に、何かできることがありませんか?」という声があって。私自身が生活の中で試し、実感を持てたハーブの活用法や考え方などをご紹介したりしています。
植松:狩野さんみたいな方に相談できるのは心強いですよね。
狩野:でも、まずご自身で考えることが必要です。自分にとって何が大切か、続けられることはいったい何か?それを一緒に考えます。特別なことではなく、毎日の食生活を見直すことで、体は変わっていきます。その際にハーブやスパイスがとても“いい仕事”をします。おいしく食事が摂れる。楽しく食事を作れる。そうすることで健康管理に役立つ。この三要素の三角形のバランスが良くなると、体の調子も整っていくんですよね。
植松:もう少し具体的に教えていただけますか。
狩野:たとえば、薬膳や漢方の考え方で、栄養価とは別に体を温める食材と冷やす食材というのがあります。季節や体調に合わせ、そうしたことも考えながら食材を選んだりすることもご紹介しています。食材選びから楽しめる生き方をすれば、食事もすごく楽しくなるはずです。お腹を満たすために食べるのではなく、生きる喜びのために食べることが大切だって思います。