ニルギリは世界最大の紅茶生産・消費国インドで、アッサムに次いで第二位の生産量を誇る紅茶産地。熱帯の山の中に、茶園が点在しています。主な茶摘みシーズンは年に3回。4〜5月の春と、9〜12月の秋。そして1〜2月の冬は、最上の紅茶ができる旬です。寒さのために芽が時間をかけて生育するので生産量は少ないものの、風味がギュッと凝縮された高品質な紅茶が作られます。
ニルギリの山々に点在する茶園は、標高により大きく3つに分かれています。海抜約900〜約1600mがミディアムグロウン(中地産)、それ以下はローグロウン(低地産)、約1600m以上はハイグロウン(高地産)。最も標高の高い茶園は標高1800mです。特にハイグロウンの旬の紅茶は、南国の果実や柑橘のような優しい余韻、伝統的な紅茶らしい風味の「香りの紅茶」として有名です。
19世紀半ばに本格的な紅茶栽培が開始されたニルギリ。ハーブやスパイスの名産地としても知られ、肥沃で豊かな赤土の土壌と熱帯の太陽の下、茶樹はすくすく育まれています。ハイグロウンでは山の寒暖差を活かした、伝統的なオーソドックスタイプの紅茶を中心に、ローグロウンではCTCタイプ(よく抽出されるように刻んで丸めた茶葉)を、ミディアムグロウンではその両方が製造されています。
南インドはアーユルヴェーダ(インド伝統医学)やヨガの本場。古いヒンドゥー寺院と聖地がそこかしこに点在する「インド人の心の故郷」です。ゆったりと流れる時間、咲き誇る花々の香り、高山の爽やかな空気と英国紅茶の伝統が、ニルギリ紅茶には豊かに詰まっています。ストレートで、またレモンなどの柑橘やお砂糖を加えて、ニルギリの個性を存分にお楽しみください。
旬のニルギリの魅力は、ほのかに柑橘を思わせる豊かな香気。レモンとお砂糖を加えると、より爽やかに、おいしく魅力が引き立ちます。
インド西海岸沿いに連なる西ガーツ山脈の南部に位置する、ニルギリのゆったりとした山並み。
19世紀中頃より敷設されたインド最古の鉄道の一つニルギリ山岳鉄道。ユネスコの世界遺産にも登録されている。
セイロン(スリランカ)に地理的に近いため、茶摘み娘の服装や茶園の雰囲気もどこか似ている印象。