ルピシアだより 2018年4月号
チェック
お茶と果実 お茶と果実

春のウキウキ、ワクワクする気持ちに乗せて「果実」の秘密とお茶との相性を探ります。

心が弾む特別な香り

イチゴ、リンゴ、モモにブルーベリー、様々な柑橘に、色とりどりのトロピカルフルーツ……。これらの果実は、母なる大地から私たちへの素晴らしい贈りもの。その香りを想像するだけで、不思議に心が弾みます。

年間を通じ400種類以上のお茶を扱うお茶専門店ルピシアで、ご好評をいただいているのが、これら果実をイメージしたフレーバードティーたち。

サクランボやイチゴ、グレープフルーツなど、みずみずしく香るフルーツのお茶が人気です。

誘惑する果実の秘密

人はなぜ果実の香りに惹かれるのでしょうか?

太古の昔から果実を育む植物は、果実を食べる動物の好みに合わせ、より香り高く、おいしくと、進化を続けてきました。歩いたり動き回ることが出来ない植物は、果実の中に隠した種子を動物に食べられることで新しい環境で子孫を増やすチャンスを得ているのです。

現在、親しまれているすべての果実は、鮮やかな色彩や甘い香りで人や動物を魅了し、果てしなく長い年月の生存競争を勝ち抜いてきた優良種なのです。

幸福な香りの出会い

今日、判明しているお茶に含まれる香りの成分は約600種類。

特に、みずみずしい若葉に似た「青葉アルコール」、咲き誇るバラのような「ゲラニオール」、リラックスを誘う華やかな「リナロール」などの成分は、果実の香りや風味と合わさった時、より新鮮に、より甘く優美に、お互いの魅力を引き立て合います。

ルピシアによるフルーツをテーマにしたフレーバードティーは、様々な種類のお茶と果実の無数の香りの組み合わせの中から、ティーブレンダーが選び抜いた特別な組み合わせばかり。高い人気にも、ちゃんと理由があるのです。

お茶と果実のペアリング

お茶と果実の組み合わせは、世界的にも人気です。

喫茶文化発祥の地である中国の伝統的なお茶請けは、イチジクなどのドライフルーツ、モモやライチなど季節の果実、スイカの種などナッツ類の組み合わせ。特に新鮮な果実の味わいは、どんなお茶とも良く合います。

フルーツとお茶を組み合わせたアレンジレシピとして親しまれているレモンティーは、アメリカ南部のアイスティーの定番、スリランカでは腹痛時に体をいたわる癒しの紅茶です。

ヒマラヤへの登山基地としても知られている紅茶の名産地インド・ ダージリン周辺で、登山ガイドのシェルパ達が愛飲したと伝わる、紅茶にブドウとワインを加えたシェルパティーは、傑作アレンジレシピとして有名です。

◆ ◆ ◆

さて、お茶と果実の魅力を贅沢に堪能する、温かいフルーツティーを味わってみませんか?

手鍋にお茶600mlを入れて弱火で温め、ふつふつしたタイミングでお好みのカットフルーツを加えます。火を落とし2〜3分蒸らせば完成。砂糖はお好みで。お茶は渋みの少ないニルギリが定番ですが、使用するフルーツと同じタイプのフレーバードティーもおすすめ。氷を満たしたグラスに注げば、お手軽にアイスティーも楽しめます。

茶実