ルピシア グルマン通信7月号 Vol.93 ルピシア グルマン通信7月号 Vol.93
夏のビールのお友だち 夏のビールのお友だち

今月のテーマは「夏のビールのお友だち」。
いよいよ夏本番、ビールがよりおいしい季節の到来! ということなのですが……。グルマン通信ファンの皆さんにもっと大切なお知らせからスタートしましょう。

今年3月、北海道新聞紙上に「ニセコに地ビール工場……」の活字が躍りました。
これはルピシア グルマンの新しい挑戦、地ビールプロジェクトのキックオフの合図となりました。
今回はこの新プロジェクトについて皆さんにご紹介します。

北海道とビール造り

北海道とビールの関わりは深く、それは明治初頭にさかのぼります。1869(明治2)年、蝦夷地あらため北海道となった地に開拓使が設置されます。続く1876(明治9)年、早くも開拓使麦酒醸造所が開業、北海道のビール造りの歴史が始まりました。原料となるホップが自生し、ビール大麦の栽培に適した北海道はビール造りに適した土地。ビール造りは北海道の新しい産業の一翼を担ったのです。ちなみに、この開拓使麦酒醸造所が後のサッポロビールです。

そしてもう一人、北海道とビールに縁のある人物に箱館戦争を闘った榎本武揚(えのもとたけあき)がいます。幕末、オランダ留学の経験を持つ榎本は、ビールに親しんだ初期の日本人。箱館戦争時、オランダから持ち帰ったビールを五稜郭の中で飲んだともいわれています。また維新後、獄中にあった榎本は出所の前祝いとして、差し入れのビールを飲んだというのですから驚きです。

余談ですが、ヴィラ ルピシアのあるニセコ町からニセコ連山を挟んだ海辺の町、岩内(いわない)町は、1871(明治4)年、北海道で初めて野生のホップが発見された場所として知られています。

旗振り役は2人の女性

今回、ルピシア グルマンが新設するビール工場は豊かな自然に囲まれた羊蹄山麓、現在ある食品工場とは別のまったく新しい施設として建設されています。

多くの人が関わって進められるこの新しいプロジェクト、その中心となるのは社内から選ばれた女性2人、矢吹彰子と藤峯あずさです。

矢吹は長年、お菓子職人として腕を振るってきたベテランスタッフ。敏感な味覚を持ち、繊細な味わいのお菓子を作り続けてきました。無類のビール好きを自認する矢吹がプロジェクトのマネージメント役を担います。

「今はまだお菓子も作っていますが、工場が完成し次第、ビール造りに専念する予定です。製法は、無濾過・酵母入りが基本と考えています。でも一番の目的はニセコのローカルビールを造ることです」と言う矢吹。矢吹の言うローカルビールとは、単にニセコ産というだけでなく、ニセコを訪れないと飲めないビール。さらに将来的にニセコで一番支持されるビールになってほしいという願いが込められています。

もう一人、醸造担当者として名乗りを上げたのが藤峯です。矢吹と同じくビールをこよなく愛し、ずっとビール造りそのものにも興味を持っていたのだとか。また繊細な味覚を持つ彼女はヴィラ ルピシア レストランのサービススタッフとして、植松シェフと長くタッグを組んできました。

「おいしいビールを造りたいという気持ちが基本ですが、植松シェフのおいしい料理をさらに引き立てるようなビールにしたいですね。食事と相性のいいビールということを常に考えています」という藤峯。

実は先のウィンターシーズン、藤峯はヴィラ ルピシアのレストランで、新しいビールのプロトタイプをお客様に提供していました。「外国人のお客様には、これはルピシアのオリジナルでここでしか飲めない、とお勧めすると興味を持っていただけました」と藤峯。「中国の方々は体を冷やす冷たいものを好みません。ですが地ビールだとよく飲まれる。かなり手応えを感じました」と植松シェフは振り返ります。

ニセコで造るニセコのビール

今回のビールプロジェクトのため、植松シェフたちはヨーロッパ各国を巡り、さまざまなビールの試飲を繰り返しました。ドイツやベルギーにはたくさんのローカルビールがあり、ビール工場のある街ではそのビールが愛され、一番飲まれているそうです。

「ヨーロッパ各地のビール職人の多くがビール造りに重要なのは水だと言いました。水が変われば、自分のビールは製造できないとさえ言います。その場所でしか造れないビールが、本当の地ビール、ローカルビールだというヒントを得たんです」と植松シェフ。今回の新工場では羊蹄山麓の地下から汲み上げた水を使用。まさに羊蹄山麓ニセコでしか造ることができないビールとなることでしょう。

日本の地ビール、クラフトビールは日々進化を続け、個性的かつ特徴的な味のビールが誕生しています。そうした傾向を踏まえた上で、3人が目指すビールは、多くの人に飲みやすく、愛されるビールだと言います。

「ニセコに暮らす皆さんに手土産にしてもらえるようなビールにしたい」と藤峯。さらに植松シェフは「ニセコへ足を運ぶ目的になるようなビール。さすがニセコだねって言われる、ニセコならではのビールになってほしい。ニセコのおいしい水と空気、大自然の中で造ったビール。そう、自然を感じるようなビールになったら素敵ですね」と夢を膨らませています。

新しいビールの発売は年内を予定しています。進捗状況はグルマン通信でもお伝えしていきます。ルピシア グルマンの新ビールプロジェクトにどうぞご期待ください。