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金沢生まれのもなか ふわとろ食感のヒミツ 金沢生まれのもなか ふわとろ食感のヒミツ

カップにお湯を注ぐだけで簡単に作れる「春の甘酒もなか」。食べてみるとびっくり!甘酒に浸ったもなかがお餅のようにもっちりと歯ごたえのある、絶妙なふわとろ食感に。この魅力的な新食感はどのように生まれているのでしょう。そのヒミツを探りに、もなかを製造する加賀種食品工業さんに取材しました。

石川県金沢市に位置する「加賀種食品工業」は、明治10年創業の老舗。もなか種をはじめとする、様々な菓子種を製造・販売しています。

伝統製法を守りつつ、その時代に合わせた新たな技術開発にも取り組み、これまで手がけてきたもなか型の種類は、なんと1,200種類にも及ぶのだそう。

香ばしいかおりが充満するもなか工場を見学しながら、商品開発に携わる廣野 友暁(ひろの ともあき)さんにお話を伺いました。

原料選びにこだわり
北陸産「新大正もち米」100%

もなかの原料となるのは、たった2つ。もち米と水だけ。

シンプルだからこそ、とことん素材にこだわる必要があります。全国各地の上質なもち米の中から選んだのは、北陸産の「新大正もち米」という品種。独特の粘りとコシがあり、何より、焼き上がりの香ばしい風味が格別に良いため、もなか種にぴったりなのだそう。

そのおいしさを逃さないためなら、時間も手間暇も惜しみません。契約栽培している「新大正もち米」を玄米の状態で仕入れたのち、精米・製粉は、生産のつど自社工場内で行っています。加工したての風味豊かな生粉から、もなか作りは始まります。

後火入れの「だんご生地」が
とろける食感の鍵

「春の甘酒もなか」を実際に食べてみると驚くのが、もなかの食感。甘酒に浸ったもなかは、お餅のようにもっちりとしていて、けれども重たくなく、絶妙にふわとろな舌ざわり。この食感を実現するのには、火入れの工程にヒミツがありました。

加賀種食品工業では、もなかの用途に合わせて製法を使い分け、二種類の生地を作っています。

一つは米粉を蒸してから焼く「もち生地」、もう一方は蒸さずにそのまま焼く「だんご生地」。甘酒もなかに使っているのはだんご生地です。焼くときに初めて火が入ることで、表面はサクッと固めに、中はふんわりなめらかに仕上がるのだとか。

もち生地はお湯に溶けやすくバラバラと形が崩れてしまう一方、だんご生地は1つにまとまってお餅のようになります。その生地こそが、ふわとろ食感を生み出しているのでした。

ベテラン職人の手仕事が生む
火力と水分のバランス

加賀種食品工業のもなかは1枚1枚、焼き手と呼ばれる職人たちによる手焼き。その日の気温や湿度に合わせて生地の水分量を均一にするためには、機械による自動生産では絶妙な焼き加減が出せないといいます。

焼き手は回転台に設置された焼き型にタネを一つずつ並べ、回転台がゆっくりと一周する間に焼き上がるよう、常に火加減を調節しています。それと同時に、帯状に伸ばした生地をぴったりもなか1個分のサイズに切っていくのですが、これが職人の勘どころ。熟練した焼き手たちは、それぞれの型の大きさや形状に合わせて、まったく同じ分量に切り揃えることができるのです。この生地を切る工程だけで、3ヵ月もの練習を積むそう。

湿気大敵!なイメージを持つもなか皮ですが、乾きすぎるとヒビや割れを引き起こしてしまうため、実は焼成後に加湿させているのです。焼き終わりは水分量がわずか1%しかなく、そこから1日かけて湿度管理をし、水分量が約7%ほどになったところで、ようやく完成。風味、食感とも最高の仕上がりのもなかは、こうして出来上がります。

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