心と体の「巡り」がポイント
梅雨シーズンの6月。急激な気温や気圧の変化に、「何となくだるい」「元気が出ない」とお悩みの方も少なくないのでは? そんな時こそ見直したいのが日々の生活習慣です。江戸時代の儒学者、貝原益軒(かいばらえきけん)の「養生訓」には、季節の変わり目にも負けない体づくりの知恵が、たくさん詰まっているのをご存知でしょうか?
「養生訓」は、病気せずに長生きするための健康法を、益軒が実体験に基づいて記した本です。出版されたのは江戸時代半ばの1713年。当時の益軒は84歳で健康そのもの、しかも虫歯や抜けた歯は一本もないというから、その説得力は並大抵ではありません。
「養生」とは、より健康な体になるために毎日の生活を心がける東洋医学の考え方です。益軒いわく、養生は“変”に備える術。気候の変化や環境の変化、年齢の変化など、私たちには様々な変化がついて回ります。その“変”への調整力を高めていくのが、日々の養生というわけです。
東洋医学では、「気(=生命活動の基礎になるエネルギー)」「血(=主に血液)」「水(=血液以外の体液)」が、全身をスムーズに巡っている状態を健康と捉えます。「養生訓」の中でも、心と体の巡りを高める生活習慣が具体的に書かれています。ここからは、益軒が教える養生術と、それを助けるお茶選びのコツを見ていきましょう。