ルピシアだより 2015年5月号
チェック
ダージリン ファーストフラッシュ到着

世界のお茶専門店ルピシアが創業時より特別なこだわりを持って取り組んできたお茶の筆頭がインド・ダージリンのファーストフラッシュです。旬ならではの、みずみずしい風味をご堪能ください。

世界で最も名高い天上の茶園の紅茶

世界中に広がる幾多の紅茶産地の中でも、最も名高く誇りに満ちた土地は、ダージリンではないでしょうか?

インド北東部、ヒマラヤ山脈の麓(ふもと)、標高600〜2500メートルの高山地帯に広がるダージリンの茶園では、世界有数の清らかな環境の中で、優れた香りと味わいを持つ最高品質の紅茶が生み出されます。

芸術品とも称されるその味わいに魅了された人々にとって5月は待ち遠しい季節。

長い冬が終わり春の訪れとともに摘まれるシーズン最初の紅茶、ダージリン ファーストフラッシュ=ダージリン春摘み紅茶が到着するからです。

「これが紅茶?」爽やかな風味に驚く!

高山地帯の7つの谷に広がるダージリンの茶園にははっきりした四季があり、春・夏・秋と年3回、旬のお茶が摘まれます。 なかでもその年の一番茶となるダージリン ファーストフラッシュは、はじめて味わう方が「これが紅茶?」と驚きの声をあげるほどの、独特のみずみずしさが特徴。

青々した茶葉にお湯を注ぐと、春の若草や可憐な花々を思わせる香りが吹き抜けていきます。味わいもキリッと爽やか、緑茶にも似た心地よい渋みを持っているせいか、日本人の味覚にぴったりと調和します。

ダージリン ファーストフラッシュのもう一つの個性は、ティーカップを満たす明るい色味。水分が豊富で柔らかな春の新芽を、熟練の職人たちが仕上げたお茶は、紅茶でありながら若々しい緑色を残し、ティーカップを黄金色に輝かすのです。

世界屈指の品ぞろえ 旬と鮮度を味わう

ルピシアでは20年前の創業時より、ダージリン ファーストフラッシュの魅力をご案内することに注力してきました。

風味や香り立ちの鮮やかな紅茶を、よりリーズナブルにお客さまにお届けするために、現地茶園やサプライヤーなどの関係者を訪問。生産者やダージリンに暮らす人々との信頼関係を一歩一歩築きあげてきました。

また鮮度を大切にという思いから、現地と直接取引した摘みたての茶葉を航空便で輸入しお届け。生産した茶園名やDJナンバー(※注)を公開してきました。

そして一人でも多くの皆さまにダージリン ファーストフラッシュを味わっていただくために、ダージリン・フェスティバルやグラン・マルシェなどの無料試飲会を開催。1シーズンに最大50種類以上と、世界でも屈指の品ぞろえとなるダージリン ファーストフラッシュの到着を、紅茶好きの皆さまと楽しむ季節のイベントとしてきました。

今年は素晴らしい出来映えに!!

新茶の茶摘みや生産に活気あふれる3月のダージリンにルピシアのスタッフが訪問。最新の現地レポートをお届けします。

変わる時代と変わらぬ本質

CHAI COUNTRY

「今年のファーストフラッシュはとてもいいね」

3月中旬〜下旬にかけて、製茶シーズンが始まったばかりのダージリンの茶園を訪問したルピシアのスタッフ一行に、キャッスルトン茶園マネージャー・ガジメール氏をはじめとする多くの関係者は、口を揃えたようにその訳を教えてくれました。

「大きくふたつの理由があります。2月に茶樹の発芽準備に十分に必要な量の雨が降ったこと。もうひとつは、新芽が芽吹く3月に雨が降らないため、発育がとてもゆっくりしていること。新芽の成分は昼夜の寒暖差と乾燥の中で凝縮して、香り立ちが良く、甘みと奥行きのある味わいに仕上がっている。ただ生産量の少なさと製造の遅れが、我々の悩みの種だよ」と。

ここ数年間で、ダージリンの環境は大きく変化しています。茶摘みの女性が新芽を収穫しながら、携帯電話で通話している風景も珍しくありません。ダージリン名物だったでこぼこ道も舗装や修復がされており、なによりエリア全体が明るく活気に満ちています。さて、お茶に関してはどうなのでしょう?

「10〜20年前と比較して、ダージリン紅茶は茶葉本来の新鮮な香りや味わいをより楽しめる青みのある仕上りに変化しています。しかし本質は変わりません」とはマーガレッツホープ茶園のチャトルジー氏。

彼のようにダージリンの作り手の多くは、種から育てた昔ながらの中国種の茶樹を大切に守る一方、最新の品種改良技術によるクローナル品種の作付けにも意欲的に取り組むなど、伝統を守りながらも、最先端でいることへの努力を怠らないのです。

人が結ぶ特別な味わい

世界中から高い注目を浴びながらも、生産単位は通常100キロ程度。白茶や烏龍茶などのスペシャルティーは数キロ程度の事も珍しくないダージリン紅茶。春のシーズン最初期に作られた優良ロットは、世界中のバイヤーの間で争奪戦となります。最も優れた茶葉を入手するためには、生産者やオーナーと直接会話することがとても大切です。

ルピシアは今回、ダージリンを代表する50以上の茶園マネージャーやオーナーと意見を交わし、出来たての新茶を試飲しました。

歴史的な名園がルピシアのために作り上げたフルーティーな味わいのタルボ ムーンストーンをはじめ、白い百合の花にも似た高貴な香りのマーガレッツホープ スプリングディライトなどのスペシャルティーは、生産者との信頼関係なくしては取り扱えない価値のある逸品。輝くような新芽の香気と風味をお楽しみください。

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