全てを捨てて心を空っぽに
東京・世田谷の龍雲寺。ここには毎週日曜の早朝から80人近い人々が坐禅を組みに訪れます。「坐禅をしたからって何も得るものはありません。逆に、全てを捨てていくのが坐禅です」と話すのは、龍雲寺の住職を務める細川晋輔(ほそかわしんすけ)さん。坐禅とは、日々の生活に一時停止を入れること。そうして自分を見つめ直し、ストレスや不安、過去の成功体験など、全てを捨てることで、心を調えていくのだと言います。
「初めての仕事でうまくいった時ってすごく嬉しかったでしょう。でも、同じ仕事を続けているうちに、慣れていって感動が薄れてしまう。だから、そういう過去の成功や経験に執着することなく、毎回初心で臨むのが大事。空腹なら何を食べてもおいしいのと同じように、心を空っぽにしておけば、毎回新鮮に感動できて、人生が豊かになる。坐禅はそのための手段の一つなんですね」(細川さん)。
龍雲寺住職の細川晋輔さんに、お茶と禅をテーマにお話を伺いました。