徹底した高品質と手頃な価格を追求
九谷焼の最大の魅力は、何といっても華やかな絵柄と優美な色彩にあります。特に、九谷五彩(緑、黄、赤、紫、紺青)と呼ばれる5色の和絵具(わえのぐ)を使い、厚く盛り上げて塗る「上絵付け」は、九谷焼の特徴です。
青郊では、そんな九谷焼の絵付けを印刷で行っています。和絵具を重ねて転写紙を作り、それをシールのように器の表面に貼り合わせ、焼き上げていくのです。
昭和の後期まで、九谷焼の食器は非常に高価で、観賞用が主流でした。そうしたなか青郊では、和絵具の美しさや手描きの風合いはそのままに、絵付けを印刷化する技術を研究。九谷焼を日常食器として使えるよう、高い品質と手頃な価格の両立に挑戦し続けてきました。
いつもは絵付けのデザインも自社で行う青郊ですが、ルピシアとの共同開発では、ルピシアがデザインを担当。その図案をもとに、青郊が転写紙を作るという流れで行われました。
- 原画のアウトラインを筆で起こす「骨描き(こつがき)」の作業。リズムよく筆を走らせるのがコツ。
- 骨描きしたデータをパソコンに取り込み、色ごとに版のデータを作っていきます。
- 転写紙を貼り付けた焼成前のルピシアの豆皿。黄色い部分はカバーコートで、焼くと揮発してなくなります。
- 焼き上がり。美しい色彩に仕上がっています。