基本は手作業
「先日、ニセコのグルマンの工場を見学にいらしたあるシェフが『ここは食品加工工場ではなく、レストランのキッチンですね』と驚かれていたんです。外部の方にそう言われて再認識したことがいくつかあります。そんなグルマンならではの“おいしさのヒミツ”(笑)をご紹介します」と植松シェフは口を開きました。
「常に基本にあるのは『おいしいものを作る』というシンプルなこと。現在の規模でこの工場が動き始めて約3年。僕自身、工場で大量生産をするための味付けをしているわけではありませんから、どうしても自分のやり方=手作業が中心になります。先日のシェフも、手作業の工程の多さに驚かれました」
手作業を重視するのは“グルマンならでは”の事情もあると植松シェフは続けます。「お届けする方法が冷凍であっても、いわゆる冷凍食品を作っているわけではありません。また、これだけ毎月、多品種の新製品を発売するというスタイルは他社ではあまりないことでしょう。逆に言えば、大手のような生産ラインはつくれない。ご好評をいただいている定番商品ですら、シンプルな生産体制ですからね。素材と丁寧に向き合う。まずこれが“おいしさのヒミツ”の基本です。しかし、決して機械化にネガティブなのではありません。味に過不足がなければ、先々、機械化して効率を上げることもあるでしょう」