ルピシアだより 2016年9月号
チェック
お茶男子 お茶男子

会社のランチ後や家でのひとときさりげなくお茶をいれてくれる男性、とてもカッコイイですね。歴史をさかのぼれば、戦国武将も英国紳士もお茶に深く魅了された「お茶男子」です。

きっかけはお茶でした

「お茶でもしない?」は誘い文句の定番中の定番。これが食事となるとハードルが上がり、お酒だとちょっぴり意味深。「相手をもう少し知りたいな」という時のきっかけとして、お茶は大変便利なツールです。恋人や夫婦になった後にもお茶は大活躍。ちょっとした行き違いで気まずくなったけれど、お茶をいれることで一時休戦、一緒に飲むうちに気分がほぐれて仲直り、という経験のある方も多いのでは?

お茶を飲むとほっとするのは、テアニンやリナロールという成分がリラックスを誘い、気分をスッキリさせるため。常に私たちの会話や触れ合いの側にいてコミュニケーションを取り持つお茶は、男女の絆を育んでくれる良き相棒です。

全ての男子はお茶好き予備軍?

年代を問わずお茶が大好きで、さりげなくお茶をいれてくれる男性がいたら素敵だと思いませんか?

「美味しいダージリン紅茶をどうぞ」「肌寒くなってきたから、アッサム紅茶のミルクティーで温まって」など、ちょっとした気配りとともに、お茶を選びいれてくれる紳士……。

でも、残念ながらそのような方はなかなか見当たらないのが現状。そこで提案。身近な男性に「お茶男子」になってもらいましょう。

ちょっと歴史を紐解(ひもと)いてみれば、お茶の文化を楽しみ伝承してきた男性は無数にいます。実は多くの男性は「お茶男子」の予備軍。きっかけさえつかめば、お茶に夢中になる可能性をみんな秘めているのです。

お茶で闘う男子たち!?

かつての日本のお茶は、名だたる武将も熱中した男の世界。織田信長や豊臣秀吉も、れっきとした「お茶男子」でした。

例えば、14世紀中期に武将や上流社会の間で流行したお茶会は派手好み。ヒョウなどの猛獣の毛皮を敷いた部屋に、中国から輸入した美術品や季節のいけ花で会場を飾り、山海の珍味と菓子、酒をとり揃えて客をおもてなししました。宴のメインイベントはお茶の産地を飲みくらべ当てる闘茶(とうちゃ)の賭け事。金銭はもちろん、時に自分の領土や家屋敷など全ての財産を賭けた男たちが、数十種〜百種(!!)のお茶のテイスティングの技術を競い合った真剣勝負。熱狂を伴う男の遊戯(ゆうぎ)でした。

熱中&集中が男子の特徴

飲んでいるお茶の品質が、その人物の地位と直結する中国。清の乾隆帝(けんりゅうてい)や、共産党初代国家主席の毛沢東(もうたくとう)など、時の権力者は、最高の茶園のパトロンでした。これは「お茶男子」のひとつの憧れであり理想像でしょう。

英国警察には紅茶を配給する専用車両があり、「弾薬が切れても耐えうるが、紅茶がなければ戦えない」という英国軍の戦車には、標準装備でお茶の湯沸し器が設置されています。これら英国紳士たちの振る舞いもまた、誇り高き「お茶男子」の所作です。

女性にとってお茶が、生活の中のささやかな癒やしや、友人や家族との娯楽であり、その知識は、基本的に美味しくお茶を楽しむためのものだとしたら……。時に行きすぎる、男性のお茶に対する情熱は、すこし理解が難しいところがあります。

異論はあると思いますが「お茶男子」にとってのお茶は、一部の音楽ファンにとってのレコードやオーディオ、ブドウ酒好きにとってのヴィンテージワインのように、ある時点から単なる飲み物や実用品であることを超えた趣味。生き方やファッションであり、仲間と薀蓄(うんちく)や会話を楽しむための道具であり、そしてコレクションの対象となるのです。

「ありがとう」の気持ちを伝える

貴方が、もし本当に身近な男性に「お茶男子」になって欲しいのならば……。

まず最初に美味しいお茶をタイミングよくいれて、彼の気持ちや関心をお茶に集めてはいかがでしょうか?

さらに進んで「ルピシアだより」などの資料を準備し、お茶の感想を話し合ってみましょう。飲んだお茶のティーリストの掲載ページに自分から進んでチェックを入れるようになれば、彼はもう、立派な「お茶男子」。お茶のみならず、一緒に茶器を選んだり、お茶請けにこだわってみるのも楽しいでしょう。

男女の区別なく、意外に忘れてしまいがちだけれど大切なこと。いれてくれたお茶を飲む時は、「おいしい」「ありがとう」と言葉にして伝えること。この小さな幸せ注入(ハピネスチャージ)の繰り返しが「お茶男子」の気持ちを勇気づけ、親切心と社交力のあるお茶好きに成長する力になるのです。

私たちは「お茶男子」を応援します
【ルピシア男性店長オススメのお茶】

ここでは、ルピシアを代表する「お茶男子」店長たちがおすすめするお茶6種をご紹介。「自然に会話が広がる」「風味に深みのある」「香りに癒やされる」「変化が楽しめる」どれを選んでも間違いがない、深い味わいの茶葉をお楽しみいただけます。

ところで、男性に限らず、お茶のいれ方に興味を持っている方におすすめしたいのは、最初は1つのお茶をしばらく飲み続けること。

同じ茶葉が、ちょっとした茶器の温度や蒸らし時間、天候や体調などで微妙に変化することを体感・実感すると、紅茶なら紅茶、烏龍茶なら烏龍茶に対する自身の味覚の軸が生まれ、同じ系統のお茶との比較が容易に。お茶の世界の探検がどんどん面白くなっていきます。

イオンモール旭川西店:野田店長
△
たまプラーザ店:川村店長
△
ららぽーとEXPOCITY店:池上店長
△
西武・そごう柏ショップ:勝野店長
△