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発売日・発送開始日
ご案内・ご注意
電子レンジ:不可
食器洗浄機:不可
※はじめて使用する際は、水またはぬるま湯で十分に洗って、糊を落としてください。
※本来の用途以外には使用しないでください。
※燃える恐れがありますので、火気の側には置かないでください。
※洗濯機、乾燥機、アイロンは使用しないでください。生地の特性上、縮みが生じます。
※強い摩擦や突起物により、糸がほつれる可能性があります。
※漂白剤は、塩素系・酸素系どちらも使用しないでください。
原材料の一覧
商品仕様
■サイズ/300x300mm
■手提げサイズ/ルピシア手提げ 小
「お茶染め かや織ふきん」のできるまで
取材にご協力いただいた方々
ホトトギス株式会社 盛 利和 代表取締役
株式会社加藤繊維 森 良一 取締役
森保染色株式会社 早川 典雄 取締役社長
お茶を製造する工程で、品質に満たない原料であったり、おいしく飲むことができる期限が過ぎてしまったりと、様々な事情で使えなくなってしまう茶葉が出てくることがあります。そのような原料を何かに使えないかと考え、そこで思い出したのは、以前にブレンダーがお茶のテイスティング時に素敵な色のエプロンをかけていて、詳しく聞いたところ、「自分で紅茶で染めた」と言っていたことでした。
そこで目を付けたのは、お茶まわりで使っていただきやすくお茶染めができる、かや織ふきん。お茶染めも、かや織ふきんもすでに制作されたり販売されたりしているものなので、すぐにできるだろう!と思って取り組み始めたのですが、思いのほか難航……。しかし、ご協力くださった方々のおかげで、ようやくご紹介できることとなりました。
作る工程がとても面白かったので、一部分ですが、皆さまにご紹介させていただきたいと思います。
お茶染めふきん作りはバトンリレー
まず、なによりも驚いたのが、できあがるまでに7社(!)もの方々にご協力いただくということ。日本のものづくりは、それぞれに専門の会社があり、協力し合って様々なものが生み出されてきたのだと実感しました。
1番手は紅茶液作り
まずは、使えなくなってしまった茶葉で、綿(わた)を染める紅茶液を作るところから始まりました。初夏の炎天下、ドラム缶で茶葉を煮出し、濃い紅茶液を作っていきます。辺りには、紅茶の良い香りが漂い、煮出している雰囲気も含めて、「ここはインドのチャイ屋さん?」と思ったルピシアスタッフでした。
2番手は綿染め
濃く抽出された紅茶液を使って、糸の元となる綿を染めてゆきます。作業場にお邪魔すると、すでに紅茶の良い香りが! 大人が3〜4人は入れそうなほどの大きな釜に、先日抽出された濃い紅茶液がグツグツと沸き立っています。その中には、すでに綿が入っており、紅茶液をじっくりと吸い込んでいきます。途中、幾度も綿を取り出し、染まり具合を確かめます。化学染料であれば、事前に目指す色の数値をコンピューターの専用ソフトで計算し、その通りの色を出していくのだそうですが、相手が紅茶液となると、話は別です。綿の染まり具合、色止めに使う原料の選定、紅茶液で煮込む時間など、専門の職人が長年培われてきた経験を基に見極めながら、進められていきます。半日以上かかって、ようやく目指す色の綿が見えてきました。
余談ですが、産地へ伺って気づいたのですが、染め屋さんには「茶」という文字が使われた屋号が多いということ。はっきりとした理由はわからないそうですが、古来、お茶を使って染物をしていたことに由来するかもしれない、と教えていただきました。どこへ伺っても「茶」が気になるスタッフでした。
この後、紡績(糸作り)、糊付け加工、生地作り、シワ伸ばし、ロール状に加工、と各社にバトンが渡されていきます。
最後は、まっすぐに駆け抜ける縫製
バトンリレーの最終地点は、ふきんを縫うところです。50年ほど使い込まれた、現在では国内に数台しかないという希少なミシンを使って作られます。なんと、盛社長は、このミシンに出会ったことがきっかけとなり、現在の会社を興されたそうです。前職で、取引先倉庫の2階にひっそりと置かれていたミシンを発見! その時は気に留めなかったそうですが、後に別業務に携われた時に、あの時のミシンが使えるのでは!……と思ったことが、独立のきっかけだったそうです。譲られたミシンは、さらに工夫しカスタマイズされているため、縫っているところは企業秘密とのことなので皆さまにお見せできないのですが、有能な職人が何名もいるかのような機械でした。
すっかり紅茶色に染まり、バームクーヘン状になった布をぴったりと6枚(大判は5枚)重ね合わせて、ミシンがけしていきます。蚊帳生地は折り目が粗いため扱いが難しいそうですが、重ね合わせた生地が左右に逃げようとするのをズレないよう正確にコントロールし、どんどん真っすぐに縫っていきます。ふきんのフチをかがるところには、性質の異なる2種類の糸が使われていて、ほつれにくくする工夫がされています。
最後に裁断されたふきんが出てくるのですが、その積み重なった様は、まるでミルフィーユ!「バームクーヘンからミルフィーユになった!」と食いしん坊のルピシアスタッフは、心密かに思いました。
この後、丁寧な検品と梱包作業を経て、皆さまにお届けできる状態に仕上げられていきます。
最後に
今回の「お茶染め かや織ふきん」作りにご尽力いただいた盛社長との出会いは遡ること5〜6年前。その後、コロナ禍がやってくるなど想像もしていなかった時でした。ご家族ぐるみで長年ルピシアファンだと仰ってくださった盛社長と、何か作りたいねとお話ししていたことが、なかなか実現できず、コロナ禍を経てようやく形になり、皆さまにご案内できることになりました。スタートを切ってから、幾つもの困難がありましたが、皆さまにご協力いただきバトンを繋ぐことができました。
日本らしいものづくりリレーを経て、皆さまにお渡しできる「お茶染め かや織ふきん」。毎日の暮らしの中で存分にご使用いただきたいと思います。
ホトトギス株式会社「育てるふきん」はこちら