優美で繊細な口当たりと、きらめくような風味が調和

カップの中で琥珀色に輝く、優美で官能的な甘露の味わいと、野バラや野ブドウのような気品のある香気が印象的。ダージリン屈指の名園による特別な白茶です。

【茶園情報】
ダージリン茶園の中でも世界中に多くのファンを抱えるマーガレッツホープ茶園は、クルセオン・ノースに位置しています。以前は"Bara Ringtong"という名前で知られていましたが、茶園所有者Cruikshank氏の娘であるLady Margaretにちなんで改名されました。Margaretはイングランドから茶園を訪問した際にその土地の美しさに惹かれ、必ずまた戻ってくると約束。しかしながら、茶園からイングランドに戻る船上で病気に罹り亡くなり、再び訪れることができず希望が叶わなかった彼女の想いをくんで、【Margaret's Hope】と名付けられました。 中国交配種の正統派ダージリンを得意とする茶園ですが、部分的にクローナル種も栽培しており、抜きん出た品質のお茶栽培をしています。

【白茶について】
「白茶」は中国茶の六大分類のうちの一つで、新芽や茶葉を、ごく軽度に酸化発酵（微発酵）させたお茶の総称であり、白毫銀針や白牡丹、寿眉などがあります。
福建省の福州や福鼎（ふくてい）が主な産地ですが、雲南省の少数民族のあいだではプーアルよりも早い時期から製造されており、今でも白茶の生産が続いています。また、白茶の世界的な人気も後押しし、近年はインドやスリランカの一部茶園でも少量が生産されています。
白茶の基本的な製造工程は摘採→萎凋→乾燥というシンプルなもので、緑茶と異なり、加熱による殺青工程がありません。そのため、新芽の産毛が損なわれず白く美しい外観をとどめています。

今回入荷したマーガレッツホープ茶園による白茶は、中国の白茶と製造工程が少々異なり、萎凋ののち茶葉を軽く揉んで（揉捻）発酵を促しています。この工程により、お茶はわずかに褐色を帯びており、味わいには香ばしさと力強さが感じられます。また、白茶ならではの甘やかさ、柔らかな余韻もある、非常に繊細でバランスの良いお茶に仕上がっています。
ダージリンがお好きな方には製法の違いによる味わいの変化を、中国茶がお好きな方には伝統的な白茶とは違った新たな産地ならではの魅力を楽しんでいただけるかと存じます。