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黒船由来の隠れた名産地 茨城県猿島の銘茶たち
茨城県古河市、鬼怒川と利根川に挟まれた台地である猿島(さしま)地域では、17世紀半ばから冬の乾燥した北風から作物を守るため、畑の畝などに根を深く張って地面を守る畦畔茶(けいはんちゃ)を育成、農家の自家茶などが作られていました。
江戸時代に宇治から茶師を呼び寄せて製法などを改良され、茶製法の向上に伴い濃厚な味わいの銘茶としての評判が高まります。利根川を中心とした水運の中心地でもあり、各地への輸送手段にも恵まれ、江戸時代には関東地方から信濃までの広範囲で猿島産のお茶が消費されていました。また、幕末の日米修好通商条約を通じて、米国に初めて輸出された生産地としても知られています。
寒暖差のある肥沃な大地で育まれた茶葉は、濃厚な味わいの紅茶の製造に適しています。研究熱心な生産者の努力も実って、ここ数年、高品質な新世代「和紅茶」を象徴する産地として注目が集まっています。
利根川に面した肥沃な土地と、冬期には積雪もある寒暖差ある風土が、深い味わいの紅茶に適した茶葉を育む 猿島地方は関東地方のほぼ中央に位置する、茨城県西部地域3市(古河市・坂東市・常総市)2町(八千代町・境町)の総称