蒸し時間6秒の衝撃 茶摘みと製茶の秘密

失われた「紅茶の時代」とは?

本山東頭(ほんやまとうべっとう)の、一度味わったら忘れられない深み。
他産地の最上級茶と比較したときの個性。
その秘密は、理想的な製法と、それを実現するために、驚くほどの手間暇をかけた、隠れ里のような小さな茶園、この2つに秘密がありました。

東頭の茶園での茶摘みは5月中旬、年に一度のみ。茶摘み時にも、製茶時にムラが出ないよう、生育のよいものだけを収穫します。
自然仕立ての手摘みによる一芯二葉の新芽は、自然な滋味・微味、微香など、製茶時に失われしまいがちな生々しい味わいを残すために「少ない蒸気で、短い時間で蒸す」ために選別された、えり抜きの茶葉だけが製茶されます。

通常、摘み取られたお茶は、鮮度が落ちる前に、加熱(殺青)をして日本茶として製茶されます。その際、普通蒸し(浅蒸し)煎茶でも、25〜30秒の蒸し時間をかけないと、茎などの水分などが不均一となるため、最終的に製造欠陥につながる場合もあります。
しかし、茶摘時に、均一に必要なだけの加熱をすることを目的として選ばれた、本山東頭の新芽は、蒸し時間わずか6秒で仕上げることが可能です

そのため、通常は製茶時に失われてしまう、山の霊気にも似た繊細な滋味と香り。茶葉本来の濃厚なうまみときりっとした後味が調和する、生命力に満ちた絶品となるのです。